最終レースはなぜ荒れるのか?

「最終レースは堅い?荒れる?」のStudyの結果、やはり最終レースは全レースの平均より荒れることがわかりました。
ではなぜ最終レースは荒れるのでしょうか? それを考察してみたいと思います。

そもそも「荒れる」とはどういうことなのか?まずは、それが問題です。
普通に考えれば「荒れる」=「配当が高い」ことですが、「配当が高くなる」とはどういう意味を持っているのか考えてみましょう。
馬券の配当は的中した票数で山分けするのと同じことですから、的中票が少ないほど配当は高くなります。当たり前ですね(笑)
的中票が少ないと言うことは、不的中票が多いと言うことです。(また当たり前のこと言ってしまった)

えー、何が言いたいのかというと「荒れる」=「本来、的中票に投じられるはずのお金が不的中票に投じられてしまう」ことではないかと思うのです。
私が思うに、まず、なぜ「最終レース」なのか?の中で述べているとおり、

  • メインレースを的中した人が、あまり考えずに堅くもない本命につっこんでしまう
  • メインレースをはずした人が、熱くなって無謀な穴につっこんでしまう

というのが大きな理由ではないかと考えています。
いずれも、本来ならばもっと投票がなされるべき馬券があるはずなのに、それが必要以上に分散してしまうからではないでしょうか?
わかりやすくするために単勝馬券で考えてみると、こういうことです。

ある日の最終レース、1番人気2.5倍のA馬、2番人気4.0倍のB馬、3番人気7.0倍のC馬、8番人気20倍のD馬がいたとします。
A馬は実力ナンバーワンだがパドックではやや連戦の疲れが見える。
B馬は昇級2戦目で、初戦は5着と敗れたが見所十分で今回も前進が期待できる。
C馬はクラス慣れしているが詰めが甘くどうにも勝ちきれない。
D馬は実力的にはまだまだだが、パドックでの気配はバツグンである。

さて、このレースに臨む馬券師がふたり。
この日のメインレースで5万円ほど勝ち、ウハウハの金持ちA様。
メインレースで3万円ほど負け、財布には2千円しか残っていない貧乏B様だ。

A様はさっさと競馬場を後にし、彼女と焼き肉でも食べに行けばいいのだが、ここで欲がでてしまう。
「もうちょっと増やしてリッチなディナー、そしてその後は…ムフフ」
そうなるとA様に冷静な判断力はもはや無いに等しい。ここは実力断然のA馬で確実に増やそう。財布から3万円を取り出しA馬の単勝につっこむ。
欲望が頭の中を支配し、パドックなど見ていなかったのだ。脳内財布は9万5千円に膨らんでいる。アノ部分も膨らんでいる(笑)

一方の貧乏B様。こちらは帰りの電車賃500円だけは残しておきたい。しかしこのまま負けて帰るのは耐えられない。
せめてトントン、いや半分でもいいから取り返して帰りたい。そして必死でパドックを見た。
そしてA馬の不調を見抜く。B馬の好調さも目に付いた。そこでオッズを見る。「4倍かぁ…」脳内電卓を叩く。1500円×4.0=6000円也。
負け金の半分はおろか1/5にしかならないじゃないか。これじゃあ大けがした人間に絆創膏をはるようなもんだよなぁ…。
3番人気のC馬。これなら1万円は超えるけど、詰めが甘いし2着までかなぁ。
そのとき目に入ってきたのが気配バツグンのD馬。オッズ板に目をやると20倍。またも脳内電卓だ。1500円×20=30000円也。
うおぉ、メインでの負けが戻って来るぞ!これだ、これしかない!
そしてなけなしの1500円をD馬の単勝につっこむ。

15分後。
いつになく行きっぷりの悪いA馬は押っつけ通しで、3コーナーですでに手応えが怪しくなっている。B馬はバツグンの手応えで4コーナーを回る。
C馬は後方からだがスルスルと伸びてくる。D馬も内をついてぐんぐん伸びる。
早め先頭のB馬が後続を突き放す、外からC馬、内を突いてD馬、B馬に迫る、2馬身、1馬身、半馬身……そこがゴールだった。

結局勝ったのはB馬。2着にD馬、3着C馬。調子落ちのA馬は掲示板がやっとだった。
金持ちA様も貧乏B様も、実力、体調ともバツグンのB馬を冷静にピックアップできていれば、と思っても後の祭り。
財布に2万が残ったA様はいいとしても、電車賃しか残らなかったB様は、惜しい結果だっただけになおさら悲惨であった…。

とまあこんな具合に最終レースは様々な欲望と皮算用が渦巻きます。
本来投票されるべきお金が他の馬券に投票されてしまう現象が起こりやすくなるのです。
これが、最終レースが荒れる一番の理由ではないでしょうか?